2021年度大学入試 「結局何が変わるの?②」
最後のセンター試験も終了し、今年度の大学受験も早慶を中心とする最難関私大と国公立大学の入学試験を残すのみとなりました。そこで少し気が早いですが、新テスト導入に揺れる来年度の大学入試の動向を探っていきたいと思います。
歴史的な制度変更に対して、過剰な心配をなさっているご家庭もあろうかと思いますが、以下の分析から見えて来ることは、従来と同様に落ち着いて学力を養いさえすればきちんと道は見えて来るという事だと理解してください。
英語筆記は「リーディング」に名称変更
センター試験では英語受験者は「筆記」と「リスニング」が課されていましたが。大学入学共通テストでは筆記は「リーディング」に改称されるとともに、配点は200点から100点に変更されます。
また「リスニング」の配点は50店から100点に変更され、「リーディング」と同配点になる事が発表されています。以下に変更点を整理します。
大学入試センター試験
筆記(200点) 発音・アクセント・語句整序などが単独で問われる。
リスニング(50点) 読み上げられる音声は全て2回読み。
大学入学共通テスト
リーディング(100点) 発音・アクセント・語句整序などは単独では問われない。
リスニング(100点) 音声は1回読みと2回読みが混在。
なお、各大学が成績利用の際に配点比率を変更する事は可能です。1対1の他に3対1、4対1など対応は大きく分かれそうです。
数学①は時間延長
既に述べたように、数学①(数学Ⅰ、数学Ⅰ・数学A)では記述式問題の導入は見送られましたが、試験時間は60分から70分へ延長されました。この背景には、数学的な問題解決過程を重視する方針があります。
一般的な事象から数学的問題を見い出した上で、解決の見通しを立てる事や、解決過程の中で得られた結果を再活用していく能力が試されるため、「考える時間」を考慮し試験時間が延長されました。
「論理的な文章」・「文学的な文章」・「実用的な文章」
国語も数学同様に記述式問題の導入は見送られました。現代文の問題数は大問2問となりセンター試験と同様ですが、題材は従来の「評論」・「小説」から「論理的な文章」・「文学的な文章」・「実用的な文章」に変更となりました。
また大問ごとに一つのテーマで作問されるのではなく、異なる種類や分野の文章を組み合わせた問題が検討されています。2018年に実施された試行調査でも、実用的な文章と論理的な文章を組み合わせた問題が出題されていました。